Interview:市立図書館 修繕ボランティア

「図 書館ひろば」で多くの人が足を止めるブースがあります。それは本の修理実演。神業のように本を直してしまう手さばきに、みんなうっとりします。そんな修理 の現場を見たくて、8月27日(水)、市立図書館の修繕ボランティアさんが活動しているところにおじゃましました。この日は3名の方が修理をされていまし た。このボランティア活動は、市立図書館が2009年修繕ボランティア養成講習会を開き、その時から始まったそうです。当初から続けられている方5人を含 め、今は9人のメンバーで活動されています。市立図書館の担当者さんを交えて、色々お話しを聞きました。

つなぐ会:今日はよろしくお願いします。まず、どのように活動をされているか教えてください。

修繕ボランティアさん(以下ボラさん):必ずこの日に来て修理する、と決めてはいません。好きな日に来ています。

市立図書館担当職員(以下担当さん):だいたい水曜日と金曜日の午前中に来てくださっていますよね。

ボラさん:そうです。家庭の事情もあるので、この日に必ず来るというのは出来ません。無理のない範囲で活動出来るというのが、このボランティアを続けていける理由かもしれません。

つなぐ会:ここにある本を修理するんですね。

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担当さん:糸綴じ、のり修理、と修理方法に分けて、受付順に並べてあります。

つなぐ会:本の間にメモがはさまっていますね。

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担当さん:どこがどのように壊れているか、このメモで伝えています。

つなぐ会:修理を待っている本は、児童書が多いようですが。

ボラさん:児童書は多いです。子どもたちがたくさん読んでいるからでしょう。人気の本はいつも借りられていて、図書館にないですね。糸がゆるんだり、ページが破れているものを直します。

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つなぐ会:好きな修理方法ってありますか。

ボラさん:自然と男性はのりの修理、女性は糸綴じ修理に分かれるんです。

つなぐ会:へ~、面白い! 修理は奥が深いと思うのですが。

ボラさん:本によって修理の方法が違います。やはり経験が必要ですね。わからないところは、メンバーに教えてもらいながら進めます。

つなぐ会:道具なども大切ですね。

ボラさん:短い時間で効率よく直すためにも、とても大切です。いつ来てもすぐに作業を始められる場所があるということも重要です。

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担当さん:予約のある本や、簡単な壊れの場合は図書館のスタッフが直します。ここに届く本は重症なんです。

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つなぐ会:困っていることはありますか。例えば「セロテープで修理しないで」というような。

ボラさん:善意でセロテープを使って直してくださるのだと思うのですが、セロテープは一度貼ると剥がせません。劣化するとパリパリになって、粘着部 分はベタベタ残るので、図書館では専用ののりやテープを使って修理します。借りている本が壊れた時は、我流で修理するのではなく、返却の時に、カウンター で「壊れた」と伝えて欲しいですね。

つなぐ会:よく図書館で、壊れたり、汚れた本の展示をしていますね。

担当さん:「本が泣いています」の展示です。

ボラさん:それに合わせて、修理の実演もしています。

つなぐ会:反応はありますか。

担当さん:見てくださる方は多いと思います。

最近、公民館図書室から、読んだ本にチェックを書き込む人がいると、相談を受けました。

つなぐ会:チェックですか。

担当さん:シリーズものだと、どの本を読んだか分からなくなるからでしょうか。しかも一人ではなく、何人かのチェックが書いてありました。

ボラさん:「図書館の本はみんなのもの」という意識がなくなってきているように感じます。

担当さん:公共の場でのマナーやモラルは、子どもの頃から教えていかなくてはならないと思います。もちろん図書館からも発信しますが、ご家庭や学校でも子どもたちに伝えてもらいたいです。

つなぐ会:そのためにも、まずは、大人が正しい姿勢を見せたいですね。

今日はお忙しい中、ありがとうございました。

2009年8月22日の神奈川新聞にこのような記事が載っていました。

ページの切り取りや書き込みなどの被害に遭った本の展示が30日まで、相模原市立図書館(同市鹿沼台2丁目)で開かれてい る。「後で借りる人が困り、被害本の悲惨さを知ってほしい」と同館は企画。特に子どもの関心を高めようと、展示期間中は被害本の修復活動への参加を呼び掛 けている。同図書館の1階ロビーに並ぶのは、被害本の数々。フランス語の書籍の行間には日本語の訳が書かれ、ビジネス書の一部分には黄色の蛍光ペンで線が 書き込まれている。水にぬれて、すべてのページがしわになったものもある。同図書館によると、昨年度の被害本は約3700冊で、被害額は約470万円とい う。展示期間中は午後3時から約1時間、図書館職員が本の修理を実演。来館した子どもたちに呼び掛け、鉛筆で書かれた線や落書きを一緒に消している。 25、26の両日は午前10時から約2時間、元製本会社に勤務していた市民ボランティアが、同様の修理体験を実施する。

少し前の記事ですが、こういった被害は今でも続いています。

修理を待っている本が棚から溢れ、他の机にも積んでありました。ボランティアさんの

力に支えられて、私たちは好きな時に、読みたい本を借りることが出来るのだと思いました。多くの人が読む本ですから、1人1人「丁寧に扱う」という 意識を持てば、ずいぶん改善されるのではないでしょうか。児童書は、出版社の方が子どもの読み方を考慮した堅牢な装丁にしてくだされば、修理本の冊数も減 るかもしれません。(出版社の方々、よろしくお願いします!) 基本的に、図書館の本を壊したら弁償しなくてはなりません。つなぐ会でも「図書館ひろば」 や機関紙、ホームページでこういった実状を伝えていきたいと思いました。