会報「図書館ひろば 第23号」

「読書バリアフリー法学習会」が開催されました

6月26日、相模原市立図書館にて、専修大学の野口武悟先生をお迎えし、「読書バリアフリー法学習会」が開催されました。2019年6月「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が可決成立したタイミングで、その法律の内容を詳しく学ぶことができました。当日は、視覚障害者協会、書店、企業、社会福祉協議会、視覚障害者情報センター職員、図書館職員、学校司書、など多くの方が参加されました。

野口先生は講演で、最初に「読書バリアフリー法」が成立した背景を話されました。2016年「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(合理的配慮)の成立、2019年1月「マラケシュ条約」の発効と「改正著作権法」の施行を経て、本法案成立の機運が高まり、6月21日に、障害者の読める本を「買う自由」と「借りる自由」の確立を保障する「読書バリアフリー法」が可決成立しました。この話の中では、2015年野口先生をお招きして、つなぐ会が開催した「合理的配慮ってなんだろう~視覚障害者の読書について~」の学習会のことにも触れられました。さらに、実際の「読書バリアフリー法」を読み解きながら、目的、基本理念、国と地方公共団体の責務、基本的施策を解説してくださいました。この法律の目的はアクセシブルな資料の量的拡充や質の向上を目指した、視覚障害者等の読書環境の整備であること。そのために国は財政措置を行うこと。第9条から17条の8つの基本的施策。それらを丁寧に説明してくださいました。また第18条には関係者との「協議の場」が設けられていることをあげ、この法律の制定が新たなスタートラインであると指摘されました。実際にどのように法律が活かされるのかが重要で、私たちに何ができるかを考えなくてはならない、と結ばれました。

次に話題提供者の渡邊健一さん(つなぐ会)が、自己紹介とともに、今までどのように図書館を活用されたか話されました。「読書バリアフリー法」施行で期待される読書活動をめぐる3つの可能性として、①電子書籍などを通じ当事者個々に合った読書活動の幅の拡充、②各種図書館のワンストップ・サービス、③当事者や家族の日々のより豊かで文化的な生活向上、をあげられました。また、読書バリアフリーになるために、ケースバイケースで文字・活字文化活動(単に本を読むことだけにとどまらない)支援や保障が必要であると述べられました。

公共図書館の図書館職員からは、図書館サービス事例が5つ紹介されました。事例は、本のページがめくれないという肢体不自由の方への対応、英語の文献の対面朗読希望、地域限定の宅配サービス、漢字が読めない方や、ペースメーカー使用の方への対応。実際に利用者の方が何に困っているのか、それに対して図書館がどのように応えたのか、わかりやすい報告でした。

質疑応答の後、野口先生のファシリテートで4者のトークセッションが行われました。図書館でのサービス事例を掘り下げ、登壇者の思いを、時には会場からの声も交えながら話し合われました。

「読書バリアフリー法」をわかりやすい言葉で説明していただき、さらに当事者の話題提供や、図書館サービスの紹介でこの法律がぐっと身近に感じることができました。法律は施行されましたが、今後も動向を見守っていきたいと思いました。

「調べ学習講座」が開かれました

 【7月21日(土)市立図書館 ~新聞をつくろう~】

小学1年生から6年生まで13名参加

最初に講師から、最近の新聞記事を取り上げながら、見出しのつけ方などの説明がありました。講義の後は、図書館児童コーナーに行って、検索機を使ったり、サポーターに本の場所を聞いたりしながら、調べたいテーマに関連する本を探しました。

新聞を作っていく手順を講師から聞いたあと、書き出したい事柄が載っているページに付箋を貼っていきます。載せたいことが多いお子さんは、本にはたくさんの付箋が貼ってありました。今回は低学年のお子さんが多く、新聞づくりは難しいかと思っていたサポーターの予想をよそに、保護者の方と一緒に、情報をどんどん書き出していきます。みんな字がとてもきれいで、また、絵や写真の配置も工夫がされていて、とても読みやすい作品が出来上がりました。

参加者全員で、完成した作品の感想を、付箋に書いて貼りつけていきます。お迎えに来られた保護者の方にも書いていただきました。たくさんの感想付箋を自分の作品に貼り、くるくるっと巻いて帰るときの子どもたちのキラキラした笑顔。この表情が、お手伝いする私たちスタッフのパワーにつながります。

【7月28日(日)相武台分館 ~図書館で好きなことを調べてみよう~】

小学1年生から6年生まで8名参加

台風の進路が心配でしたが、当日はすっきりと晴れて、無事開催することができました。

はじめに講師から「調べるテーマを決めてきた人?」と聞かれると、全員が手を挙げました。意気込みがすごい! ワークシートの中心にテーマを書き込み、そのテーマからさらに調べたいことを絞り込みます。書架に本を探しに行くときは、サポーターや分館のスタッフがお手伝いしました。

調べるための本を探した後は、書き込む台紙を選びます。冊子やポスター、パンフレットなど色々です。調べたことを書き出す前には、じっくり本を読みこみます。付箋をはるお子さんもいます。調べた内容は小さな紙に書き込み、台紙に上手に配置して貼っていきました。コピーした写真に色鉛筆で色をつけて和菓子を一層美味しそうにしたり、トウモロコシの食べ方やポップコーンの作り方をクイズ形式にしたり、犬の種類や気持ちを冊子にまとめてそこに目次やページをふったり、さまざまな工夫を凝らしていました。

出来上がった作品には、参加者全員で感想を付箋に書いて貼っていきます。保護者の方にも、書いていただきました。とても集中して取り組んだからか、早めに終わるお子さんも多く、お互いに作品を見せあいっこする姿もありました。調べることが楽しかったという思い出を、今後の図書館利用につなげてもらえれば、と思いました。

後日談。夏休みが終わるころ、出来上がった作品を図書館に見せに来てくれたお子さんがいました。相武台分館ならではの光景でした。

【8月4日(日)橋本図書館 ~ネットと本で調べ学習講座~】

小学3年生から6年生まで、7名参加

この日は「橋本七夕まつり」と重なり、外は大変にぎやかでした。参加者の中には7月21日(日)の相模原市立図書館「調べるっておもしろい!~図書館で調べて新聞をつくろう!~」に参加してくれたお子さんもいました。今回はその続きをするんだと生き生きと話してくれました。

申込の際には調べる「テーマ」が決まっていなかったお子さんも、講師の説明を聞いたあとにはスムースにワークシートに調べたい内容・キーワードを書いていきます。全員がスラスラと記入をしていて、今回参加された子どもたちのやる気にうれしい驚きです。そして、テーマに沿った本を探しに「こどものほんのコーナー」へ。図書館のスタッフやサポーターといっしょに本の内容を確認し、複数の本、そしてパソコンも併用し調べていきます。

本の中の必要な情報に付箋をはり、必要ならWebサイトでも検索していきます。まとめていく形式は各自好きなものを選びましたが、今回は冊子タイプのまとめ方を選ぶお子さんが多かったです。次は調べたことやまとめを書き込むための「見出しカード」「しらべたカード」「わかったことカード」「かんそうカード 」などを選んでいきます。完成形を想定しながら楽しそうに選んでいます。本から情報をひいて自分の言葉に簡潔にまとめていくのは、なかなか難しい作業になりますが、子どもたちはサポートの必要がないくらい、自分の力で進めていきます。まとめの構成も頭の中でできているようで、すぐに取りかかりはじめていました。

最後のページに余白があった理由を「家に帰って実験するから」と教えてくれたのは、当日参加の女の子。テーマは「大人と子どもの味覚の違いについて」実体験の中で保護者の方と異なることに疑問を感じ、夏休みに調べてみようと思ったそうです。今回本の情報をもとに、さらに実際に確かめようとしていた姿に感服しました。開始から約2時間半、集中して作業を続け、出来上がった完成物に参加者全員で感想を書いた付箋を貼っていきます。

どの作品もわかりやすくまとめられ、たくさんの感想が書かれた付箋をみながら、参加したお子さんはうれしそうな笑顔でした。

第11回「図書館ひろば」開催のお知らせ

会場:相模原市立図書館

11月24日(日)10:30~15:30

今年もやります古本市

布絵本・布おもちゃ・おはなし会

本の修繕実演 点訳体験 工作教室

図書館利用団体「交流の部屋」他

次世代に引き継ぐ 淵野辺駅南口周辺のまちづくり

市民検討会に参加して その2

第3回 6月1日(土)9:30~

「各施設の運営面や、利用状況について」プロミティふちのべビルにて行なわれました。各施設について担当者から70枚近い資料の説明がありました。

その後、現状と課題を共有する目的で、「次世代に引き継ぐためには何をしたらいいのか?」というワークショップを行いました。グループ発表では、「今回の南口まちづくりの方向性~どういう街にしたいか~の確認がされていない、その話をすべきだ」という意見と、「もっと市民に情報開示を」という意見に対し、市職員から市のHPに掲載されていること、「次世代ふちのべニュース」という広報紙を出していることが報告されました。参加者からは「回覧板などで、もっと地域へこの話し合いを伝えるべき」という意見が上がりました。

第4回 7月2日(火)19:00~

有識者の相模女子大学 山本匡毅准教授(人間社会学部社会マネジメント学科)による「次世代に引き継ぐ淵野辺駅南口周辺のまちづくり」についての講演と、市職員から「相模原市における公共施設マネジメントの取組み」について説明がありました。

内容は、相模原市の人口は2019年をピークに、減少に転じ、2065年には、現在の3/4、高齢化率は40%、外国人の増加、それに従う財政減少、公共施設の老朽化による建替えの必要性、そのためには、コンパクトシティ(複合化)であり、市民自身がそのことを自分たちの課題として捉える必要がある、というものでした。また、この市民検討会を仕切るファシリテータとして、セントラルコンサルタント(株)という会社が選定されたと発表されました。

後半はワーキンググループを2つに分け、「公共施設における課題の優先順位やニーズの整理、解決のための改善アイデア」について意見を出し合いました。

第5回 8月31日(土)9:30~

前回からのテーマをそのまま話し合い、まとめました。また、検討委員から「淵野辺南口のまちづくりの方向性について、最初に話し合うこと」が再動議され、職員と有識者の委員長が話し合った結果、検討委員からアンケートをとり、傍聴者の意見などもまとめて、伝えてほしいという意見も出され、次回第6回会議開催までに行うこととなりました。

次回は、10月7日(月)19:30~

「委員アンケート・有識者協議会協議結果報告を受けた、今後の進め方について」です。

編集後記

「読書バリアフリー法」を学習したので、というわけではありませんが、今号からUDフォントを使用しています。読みやすくなったでしょうか。HPにはText版もアップしています。視覚障害者のかたからPDFの読み上げは難しくText版を、というリクエストに応えました。少しずつでもブラッシュアップしていきたいと思っています(Y.N.)

PDF版は「会報」ページをご覧ください。

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